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【ケーススタディ】正社員400名、全国20拠点の企業が人事評価制度を導入した際にぶつかった課題と解決方法 | 人事評価制度構築・運用・定着コンサルティング|株式会社カチカ

コラム

2017.10.11

【ケーススタディ】正社員400名、全国20拠点の企業が人事評価制度を導入した際にぶつかった課題と解決方法

先日、ある人事コンサルティング会社(グロスウィズではない会社さん)と一緒に半年かけて人事評価制度を構築し、
運用が始まったばかりの会社さんから相談を受けてお伺いしました。

そこで、実際に人事評価制度の導入・運用をしてみての課題などをお聞きし、
グロスウィズであればどのような対応をするか考えてみましたので、
このコラムで共有させていただきます。

■企業の概要
拠点数 全国20拠点程度
正社員数 400名程度
2代目への事業承継を少しずつ意識し始めている中で、
2代目が中心となり、人事評価制度の構築を決める。

今回、人事評価制度を構築するまでは、いわゆる社長のさじ加減で給与を決定していました。
2代目への事業承継のタイミングも近づき、常務と若手社員が8名ほど集まり、
様々な改革を進める中の一つが人事評価制度の構築でした。

半年かけて、コンピテンシーとMBO(目標管理制度)による人事評価制度を構築し、
総務担当者が全国の拠点を周り、マネージャー層に説明を行い、
社員には人事評価制度を開始することと周知し、
手始めにエクセルで作成した人事評価シートに目標を記入してもらいました。

正社員400名のうち目標提出期限を守った人が70%。
5%弱は2カ月経つが提出されていない。
エクセルでの管理となっているため、誰が提出していないのかをチェックするだけでも工数がかかっています。

■相談を受ける中で顕在化した課題
・人事評価シートがエクセルとなっており、提出者・未提出者の管理、未提出者に追いかける工数がかかっている。

・人事評価シートがエクセルで作られているため、総務担当者に社員分のメールが届き、
それを印刷して、1枚1枚チェックしているが、数が膨大なため、各社員の評価の蓄積やデータ管理が難しそう。

・総務担当者が400名分の目標をチェックする工数がものすごくかかっている。

・目標は自由記述形式になっているため、1行とか2行とかで全く具体的になっていない目標が散見される。

・会社が望む目標にブラッシュアップするための添削を行うことができていない。
総務担当者は、他の業務もある為、目標をブラッシュアップする工数を取ることができない。

・上司は、部下がどんな目標を立てたのかを把握していない。

・目標の期間は半年。2ヶ月たって、目標を意識して行動している社員はほとんどいないのではないか。
日々の業務に追われて、立てた目標すら忘れてしまっている可能性がある。

・社員向けの説明を行っていない。マネージャー層への説明のみ、総務担当者が行っている。
社員からすると、総務担当は経営者側の人間と思っているので、素直に受け止めていない人も出ているのではないか。

・社員からしてみると、評価と査定がどのように連動しているのかが分からない為、目標を達成しようとしない。
人事評価制度が行動変革につながっていない。

■グロスウィズの解決策
人事評価制度を導入して2ヶ月。
この企業様の人事評価制度定着に向けての進捗は芳しくないと言えます。

弊社が人事評価制度の定着・運用コンサルティングに入らせていただくとしたら、
下記のような取り組みを行っていくことで定着させていきます。

【1】人事評価制度と賃金制度を連動させる。
評価と査定がどのように連動するのかを社員に公表するべきです。
このステップを省いてしまうと、がんばって評価が上がっても、結局どう査定に結び付くかを理解しないまま、
人事シートに目標を記入することになります。
日々の業務で忙しい中、何のために人事シートをがんばって記入しているのか分からなくなり形骸化してしまいます。

【2】社員説明会を、全社員に対して直接行う。
社員に向けて、新しい人事評価制度が導入されることで、どう変わる可能性があるのかを直接説明をするべきです。
直接説明をし、社員からの疑問を聞き、改善した方が良い点は改善してブラッシュアップする。
このステップを省いてしまうと、社員が納得しないまま、理解しないまま人事シートに記入してしまい、
想定していた効果を出すことができなくなってしまいます。

【3】目標の立て方研修を行う。
これまで、目標を立てたことがない社員に対し、いきなり半年の目標を立てなさいと言っても、
多くの社員が良い目標を立てることができません。
人事シートに書かれた目標が、1行ないし2行などというのは、初めて人事評価制度を構築した企業様ではよくあることです。
このこと自体は、そこまで問題ではありません。
まず、目標の立て方研修を行い、良い目標と良くない目標の事例を見せたり、研修の中で目標を立てる練習をすることで、
目標を立てることに慣れることが大切です。

【4】MBO(目標管理制度)が正常に機能していないので修正する。
MBO(目標管理制度)は、評価期間の期初に、評価者と非評価者の間で目標に関するすり合わせを行い、
期末の目標達成の度合いによって評価をする制度です。
しかし、この会社さんでは、人事評価シートを総務部に提出していますので、上司が部下の目標を把握していません。
提出された目標を添削し、具体的かつ定量的になるまでブラッシュアップし、上司がこの目標に対して評価をしますという承認をするところまで持っていきま

す。

【5】MBO(目標管理制度)の各社員の目標は会社から一方的に示すべき。
MBO(目標管理制度)の各社員の目標を、社員が自分で決めてしまうと、
自分がもらっている給与を捻出できない程度の甘い目標を立てて、達成率を高く見せる社員も出てきます。
結果的に、評価結果を査定に反映させることができなくなります。
ですから、MBO(目標管理制度)の各社員の目標は会社から一方的に示すべきです。
ただし、この会社さんは、全部で400名の正社員がいますので、一人一人の目標を会社から示すのは簡単ではありません。
現在の状況であれば、全社の売上・利益目標、各営業所ごとの売上・利益目標を提示し、
その中で、各営業所ごとに、マネージャーと社員の間で目標のすり合わせをするべきです。

人事評価制度を定着させるために、やらなければならないことはまだまだありますが、
一旦、現状を打破して、社員の行動変革を促し、定着への足掛かりを作るためには、
まずは、この5つの施策を打つべきだと思います。

グロスウィズ株式会社では、他社で構築した人事評価制度の導入支援や運用支援コンサルティングも行っております。

人事評価制度は構築したけれどうまく定着していない、形骸化してしまっている、
こうしたお悩みがある企業様もご相談いただければと思います。

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