人事評価制度を導入すれば社員ネジメントは上手くいくのか？ | 人事評価制度構築・運用・定着コンサルティング｜株式会社カチカ

社員の離職率が高いので何とかしたい。
労務リスクを下げたい。

こうした社員マネジメントに関するご相談をいただくことが多くなっています。

弊社は人事評価制度の構築から導入、定着のコンサルティングをさせていただいていますが、人事評価制度を導入すれば、人に関する問題が全て解決するわけではありません。

弊社が推奨している四半期人事評価制度は、社員の労働生産性を高め、企業業績に寄与する仕組みだと確信していますが、あくまでも人事の仕組みです。
社員は人。そこには心があります。
数字や制度のみで心を掴むことはできません。
仕組みだけに頼ってしまうと、社員の心は離れていくことだってあります。

人事評価制度と人の心を掴むための施策。
弊社では、この両輪が大切だと考えています。

ここで、社員マネジメントを非常に上手にされている企業様をご紹介します。

■外食産業で確実に成長中。財務も盤石（実質無借金経営）。

■飲食業にも関わらず離職率は8.2％と極めて低い。
※飲食業の平均離職率は31.4％。

■利益率は10％に迫る勢い。
※上場企業でも10％を超えている企業は多くない。
※一部の上場企業の経常利益率
株式会社ひらまつ　16.9％（2017年3月期）
株式会社ブロンコビリー　15.6％（2016年12月期）
アークランドサービスホールディングス株式会社　14.8％（2016年12月期）
ハイデイ日高　11.9％（2017年2月期）
株式会社サンマルクホールディングス　11.4％（2017年3月期）
株式会社壱番屋　11.4％（2017年2月期）
株式会社あみやき亭　9.6％（2017年3月期）
SFPダイニング株式会社　9.2％（2017年2月期）
株式会社ヨシックス　9.0％（2017年3月期）
ワタミ株式会社　0.2％（2017年3月期）
カッパ・クリエイト株式会社　-0.7％（2017年3月期）

こうした成果を上げていらっしゃるのは、静岡市を中心として18店舗の飲食店を運営する”株式会社なすび”様。

人事評価制度で社員のがんばりに応えることはもちろん、”心をベースにした経営”をテーマに、経営者自らが先頭に立ち様々な施策を行っています。

セミナーでお話しを伺う機会をいただきましたので、他の企業でも応用できそうな施策について少し書いてみたいと思います。

・年2回ビジョンシートを社員に書いてもらっている。個人のビジョンも書いてもらい、個人の夢の実現も応援。

・年4回個人面談。行うのは、社長や専務ではなく、幹部がニコニコしながら、飲みながら行うことで本音を話してもらう。

・毎月20日に、社長が全社員のところに回って声をかけている。今は社員が90人を超えられたということで、

・社員の誕生日には1万円のギフト券を直接手渡ししている。

・なすび瓦版を毎月つくって、誰が活躍しているという情報を掲載したり、家族参観日をやるよ（年1回）、という情報発信をして、社員のがんばりを見える化したり、家族とコミュニケーションを取るようにしている。

・年に1回家族参観日を設け、家族を招待し、親が料理をつくっているところや接客している真剣な姿を見せる。

・海外視察研修にも力を入れている。入社2年以上の社員をつれていき、オーナーと社員が同じ価値観を共有し距離を近づけるための時間、社員に、少しでも良い体験をして欲しいという思いでやられている。

お話しを伺って感じたのは、一つ一つの施策はものすごく難しいことではありませんが、お金も時間も何よりも愛情をかけて経営者自らが行っているということを感じました。

結果的に、この人財力が、なすびグループ様が他の外食企業との差別化要因にもなっています。
まだ、今の段階では人には困っていないと仰っています。
離職率が低いことで、結果的に採用費用も抑えられているでしょうし、何よりも教育費用を抑えることができており、それが利益率にもダイレクトに反映されていると考えられます。

今回のコラム、「人事評価制度を導入すれば社員ネジメントは上手くいくのか？」というテーマに対して回答は、人事評価制度を導入するだけではなく、社員やパートアルバイトの心を掴む施策も行う必要があると言えます。
弊社としても、ついつい人事評価制度の構築や導入、定着のところに目が行きがちですが、今回は、自戒の念を込めてこのコラムを書かせていただきました。

なすびグループ様の取り組みにつきましては、HPにも掲載されています。
http://www.nasubi-ltd.co.jp/company/message/