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【オーナー企業の担当者向け】オーナー企業に勤める社員が、自社の社長に納得してもらって予算を確保する営業手法。 | 人事評価制度構築・運用・定着コンサルティング|株式会社カチカ

コラム

2017.9.30

【オーナー企業の担当者向け】オーナー企業に勤める社員が、自社の社長に納得してもらって予算を確保する営業手法。

本日のコラムのテーマは営業についてです。

オーナー企業に勤める人事担当の方からご相談をいただきました。

オーナー企業の社員であれば、経験したことがある方も少なくないと思いますが、
担当者自身が、会社にとって必要と思っている施策を実行するための予算をもらおうと社長に提案しても通らない。
どうしたら社長に納得してもらうことができるかという相談でした。

この企業の社長は、売上・利益に寄与すること以外は評価しないということです。

社員は、成果を上げるために、労働時間など関係なく働いており、
みなし労働時間制を採用しているため、サービス残業が発生してしまっている状況で、
いわゆるブラックな環境になってしまっているということです。

ご相談をいただいた人事担当者が提案したいのは、生産性向上の施策。

どのようにしたら、経営者に予算を出してもらうことができるのか、
考えてみたいと思います。

まず、経営者自身に、生産性の低さに関する課題感が無いと、
営業としての難易度は高くなります。

お話しを聞いてみると、社長は、会社としての生産性については興味があまりなさそうとのこと。
ニーズが顕在化していない状況のようです。

真っ先に考えるのは、
生産性向上の施策が、会社の売上・利益にどれだけ貢献することができるのか、
具体的かつ定量的に示す方法。
ただし、売上・利益に貢献できる額を具体的かつ定量的に示すのは中々難しいです。

それ以外の方法を考えてみたいと思います。

【1】世の中の流れが、ブラック企業撲滅、働き方改革による生産性向上に向かっている証拠や事例を示す。
このようなテーマは、新聞や雑誌などで、ほんとうに様々な取り上げられ方をされています。
なぜ、ブラック企業は撲滅しなければならないのか、なぜ働き方改革による生産性向上に取り組まなければならないのか、
日経ビジネスや東洋経済、日経新聞などの力を借りて、課題感を顕在化させる方法です。

【2】同業他社の事例を提示する。
【1】の証拠や事例を示す方法は、マクロ的な話になりますので、
うちの会社には関係ない、大手の話でしょ、的な受け止め方しかしない経営者も正直いると思います。
そんな経営者に対しては、より、身近な事例を提示します。
同じような規模間、同じような事業、同じような年齢の社長、同じような課題を抱えている、
など、自社と共通点がある企業が、生産性向上施策に取り組み、結果的に売上・利益向上につながった事例を探します。
生産性向上がなぜ、売上・利益向上につながったのかまで出ている事例があるといいと思いますが、
その事例をベースに、自社にどのように取り入れていけばいいかを提案します。

【3】売上・利益以外で経営者が興味があるポイントに置き換える。
経営者が興味があるのは、売上・利益です。
このことに異論はありません。
ただし、それ以外にも悩みや課題を持っている経営者はいるのではないでしょうか。

例えば採用、離職率など。
今回の事例として取り上げた企業さんであれば、ブラックな環境、成果を上げない社員の評価が低い等を考えると、
離職率は高いはずです。
離職率が高い=採用コストがかかっている、可能性が高いので、
生産性向上施策を行うことで、ホワイトな労働環境を作りだし、
離職率を〇〇%下げることで、中途採用媒体コストを年間〇〇〇万円下げることができます、
というロジックを組み立てることができないかを検討します。

または、採用に関する費用対効果の面から営業する方法もあるのではないでしょうか。
経営者は、未来の売上・利益をつくりだすためには、優秀な人材を確保しなければならないことは理解していると思います。
ただし、ブラックな環境にある企業は、採用力も相対的に低下していくはずです。
例えば、ここ数年の中途採用の母集団形成数が、中途採用の媒体費用は増やしているにも関わらず、減っているというデータがないかを調べます。
その理由の一つが、ブラック企業という風評がたっているからと仮説を立てます。
その根拠として、同じような規模間の企業などで、ホワイトな労働環境を実現している企業は、自分たちの〇倍の母集団形成ができている的なデータを揃えます。
こうしたデータや事例を用いることで、生産性向上施策を行うことで、採用力を高めることができるというロジックを組み立てることができないかを検討します。

特に、最近は採用や離職率といったテーマに対して課題感を持っている経営者が増えていますので、
こうした切り口での提案も考えてみるべきです。

【4】社内で小さな成功体験を作る。
会社の生産性を高める為に、お金をかけずにできることもあると思います。
例えば、全社で行わずに、自分の部署だけで行う生産性向上プロジェクトだったり、
仲の良い先輩がいるグループだけで行う生産性工場施策だったり、
取り組む単位を小さくすることで、お金をかけずに行うことができることもあると思います。
そこで、小さな成功体験を作り、売上・利益に貢献できるという事例を社内で作ります。
もちろん、成功体験をつくることは簡単ではありませんので、
取り組んでもらうチームにとってのメリットや、施策を行うことによってたどり着けるであろう理想の姿などを、
提案することは必要です。

【5】お前が言うならやってみるか、という状況になるまで、他のことで信頼や実績を積み重ねる。
最終的には、これしかないと思います。
同じことを言っているのに、何で上司の提案は通るのか?
こんな状況にあったことがある方も少なくないと思います。
自分と上司で、同じ提案書を使っても、上司の提案だけが通ることをイメージしていただくことはできると思います。

何を提案するかよりも、誰が提案するか。
自分自身が、社長に納得してもらえる誰がになること。

これまでにお話したどの方法もダメな場合は、自分自身で勝負をするしかないと思います。

私も、年間300人近くの経営者に対して新規営業を行っていた時に、
自分が半年前に提案して受注できなかった企業から、上司がさらっと受注したという経験がありました。
違いは何かと言えば、自分ではなく上司が提案したからという1点のみです。

酷な言い方になりますが、人間はロジックだけでは判断しません。
感情も含めて判断しますので、その感情を動かせるだけの人間力を身に付けることが必要なのかもしれません。

今回は、オーナー企業に勤める社員が、自社の社長に納得してもらって予算を確保する営業手法について考えて気ました。

今回の手法をそのまま使えるケースもあれば、アレンジして使えるケースもあると思います。
自分が置かれた環境で、どのように活用できるのか、考えてみてください。

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